Crew 191 Commander Report 27Mar2018

[title Commander Report – March 27th]

27 MAR 2018 – Sol3 – Commander Report

僕らの『本気の火星ごっこ』が、とうとう始まった。大げさにいえば火星とは、僕ら人類の好奇心の象徴かも知れない。同時に火星までの道程には、大きなリスクも待ち受けている。"Every single aspect of space is conspiring at every moment to pretty much kill humans(宇宙の全ての側面は、人間を殺害するためにいかなる時点でも関係している)." とは、とあるインド人宇宙建築家の言葉だ。火星をコントロールすることなんて、僕らにできやしない。好奇心とリスクとを天秤にかけながら、おそるおそる一歩を踏み出す。退路のない道は決して進まない。本気と遊び心と両方を持ち合わせる人たちが集まり、未来を夢見ることができる場所、それがここMDRS(Mars Desert Research Station)だ。

ここでの暮らしを皆さんは、「サバイバル」という言葉に代表されるような「生き延びる為」の生活をイメージされるかもしれない。確かにそういう一面もあるのだけれど、数年にもわたる有人火星ミッションでは「滞在」から「暮らし」へと、生活する時間のスケールがひろがっていくにつれて、「生き延びること」よりも「生きている実感」の方がより大切になっていく。サバイバルで試されるのは、折れない意志の力かもしれないけれど、根を張って生きていくのに必要な能力は、実はぶれない気分の方だったりする。緊張を強いられる暮らしのなかでは、負の気持ちは簡単に連鎖していく。「自分だけは大丈夫」は通用しない。だから絶対に「ここは地球だから」と口にしないこと。クルーたちが地球にいることなんて忘れてしまうようにさせることが、隊長としての僕の役割だと思っている。

Be Curious, Ad Astra, and Safe Return.

Crew191 TEAM ASIA Commander,
Yusuke Murakami